もしかしたら腰痛や膝痛の原因にも?? 体幹トレーニング

腰痛膝痛体幹トレーニング
ひろ

こんにちは!ひろ(@hiro__mc)です!

新型コロナの影響でスポーツクラブなどではチームが自粛となってしまったりで本当に大変な時期です。

そんな中でも選手が自宅でトレーニング出来るようにアイデアを出しているクラブも多くありますし、選手自身でも体調維持のために工夫して時間をつかっているかたもたくさんおられます。

中でも特に多く耳にするのが自宅での体幹トレーニング。

いまやスポーツでは「体幹が強いことは良いこと」というのは当たり前のように言われますのでその効果を狙ってのことだと思います。

しかしながら、果たして体幹トレーニングは言われるほどスポーツのパフォーマンスに対しての効果はあるのでしょうか?

逆にもしかしたらそれが腰痛や膝痛などの原因となっていたり、パフォーマンスを下げる要因となっていたりする可能性は?

今日はそんなお話を。

※ここでいう「体幹トレーニング」とは動きを伴わない止まった状態でトレーニングを主に指します(最近では「体幹トレーニング」と銘打っていても内容的には以前のそれはだいぶ変わっている場合も多くありますのでご注意ください)。

体幹トレーニングとは?

体幹筋(たいかんきん、羅名: musculi trunci)は広義の骨格筋のうち、体幹に属する筋肉を総称したものである。内臓を支える機能とともに、運動時のバランスをとるために骨格筋を随意で動かす際は最初に動かす筋肉であるため、この筋肉が弱ると運動が不安定になる。体幹筋は前体幹筋(主な一例腹直筋、腹横筋、腹斜筋、大胸筋)と後体幹筋(広背筋、脊柱起立筋、僧帽筋)に分けられる。体幹筋に対して、上肢、下肢に属する筋肉を体肢筋と呼ぶ。略して体幹とも呼ばれる。

Wikipedia「体幹筋」より

「体幹トレーニング(コアトレ)」とは要するに胴体及び、胴体から足などに繋がる筋肉にアプローチするトレーニングという認識が一般的だと思います。

この「体幹トレーニング」というものが一般的になったのはいつ頃でしょう?

私が高校生の頃などは聞いた記憶がありませんでした。

その言葉を聞くようになったのは恐らくは今から20年前くらいからでは無いのかな?という印象です。

その頃に私は体幹トレーニングというものを書籍かネットで知りました。

そして、それを周りのサッカーコーチなどに話したりしましたが当時はあまり知られていなかった記憶があります。

その後にプロサッカー選手が積極的にやっているというような話が広がって一気に広まった感じがしています。

実はこの頃には私もサッカーコーチとして選手たちに対して体幹トレーニングのメニューを配って自宅でやらせたり、チーム練習の合間にやったりしていました。

周囲でも頻繁にやっている指導者のかたも増えてきましたが、次第に私はやらなくなりました。

体幹トレーニングは効果あるのか?

一時期に積極的にやっていた体幹トレーニングですがある時期を境にやらなくなりました。

それはチームの中には運動神経が良くてボディバランスなども優れた選手達もいたのですが、その彼らが体幹トレーニングのメニューに対して特に優れているという訳では無いということに気づいたのがキッカケでした。

一方で普段のサッカーでの身体の使い方が良いとは言えない選手や、動きが鈍くて重い選手達の方がむしろ体幹トレーニングを苦にせずにこなしているという事も多くありました。

そういう場面を見ていて、「これはサッカーの動き向上において意味があるのだろうか?」と考えるようになったのです。

もちろん可能性としては、それは私が指導していたから・・・というのも関係あるのかもしれません。

しかし、現実的に動きが軽やかで色々な姿勢の変動に対応できるタイプの子どもの方が体幹トレーニングが苦手な子が多い印象があります。

ということは、「少なくともこの年代(小学生)ではとりたてて子どもたちにやらせる必要は無いんじゃないか?」という考えになったわけです。

まあ、当時はそのような感じで考えて、その道の素人の私が子どもたちに無闇にやらせるのはやめようと考えてやらなくなりました。

とは言いながら・・・

今でも多くの場所で行われている体幹トレーニングですが、現実的に効果を出せてるか?・・については正直申し上げて現時点では疑問に思っています。

恐らくはデータ的にその効果を測っているというのも少ないと思うので運動のパフォーマンスという意味では効果の有無はハッキリとは言えないかもしれません。

しかし、私は「身体のコンディションへの影響」という意味でも疑問を持っています。

当院にはサッカーやバスケットボールなどで膝の痛みや腰の痛みや股関節の痛みでお困りの選手が多くいらっしゃいます。

その時に色々と筋肉のチェックをさせていただくのですが体幹に関する筋肉の機能低下がとても多い。

その中でも、とても多いのが大腰筋の機能低下。

「大腰筋」とは下の絵のように背骨から太ももの骨との間にある筋肉です。

この筋肉は身体を動かしたり姿勢を保つのにとても重要で、体幹トレーニングの大きな目的の一つはこの大腰筋へアプローチするというのがあると思われます。

しかしチームや自宅で体幹トレーニングをやっている子たちでもこの大腰筋を使えない状態になっていることがとても多いのです。

大腰筋だけでなく、中殿筋や脊柱起立筋群なども同様で、それらの骨格筋の機能に不全が起こることが腰痛や膝痛の原因となっていることはとても多くあります。

機能不全を具体的に表現すると「力が入らない」という状況になってしまいます。

ということは、素直に考えれば「体幹トレーニングで狙った場所に良い効果は出ていない」と言わざるを得ないかと思われます。

体幹トレーニング

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体幹トレーニングで思い出すのが両肘を床について身体をまっすぐにもちあげたり、右手を左足を伸ばした姿勢を保つ・・というのを思い出します。

このトレーニングには動きが無くて、ピンと身体を固くして姿勢を維持するのが目的となっていますが体幹トレーニングにはこのような動きのないメニューが多くある印象です。

果たしてこのような止まった状態で筋肉を緊張させ続けるトレーニングはスポーツの動きの質を向上させたり、体勢のバランスを維持するのに役に立つのでしょうか?

運動に必要な筋肉はしなやかで柔らかいことが重要です。

ですが、ピン!と身体を固めて姿勢を維持して止めるトレーニングをするとどのような筋肉が身につくのだろうか?と想像すると硬い筋肉がつきそうです。

柔らかくしなやかな筋肉が身につくようというのはイメージがわきませんし、仮に効果があるとしてもやり方を誤ると様々な弊害を起こしてしまうことも大いに考えられます。

「硬くて強い筋肉の方が外からの圧力には強い」というご意見もあるかもしれません。

しかし、それは硬い木の枝のようなもので、ある程度までは強くても限界を超えると脆く壊れてしまいます。

建築物の超高層ビルなどは柔らかく揺れることで地震時にも倒れない設計となっています。

もし超高層ビルを硬い作りで建てたとしたらある限界以上に揺れた時にボキッと折れてしまうことでしょう。

身体も「硬く強い」よりは「柔らかくしなやか」の方が外力に抵抗出来るし、何よりも怪我を負うリスクは減ります。

体幹トレーニングの弊害??

某スポーツチームのお話ですが有名な体幹トレーニング方法の公認トレーナーの資格をお持ちになられるトレーナーさんがおられます。

普段から有名な体幹トレーニングを取り入れているのだから選手には故障などは少ないのかな?と思いきや故障者がとても多いのです。

その選手たちが腰痛や膝痛などで当院に治療に来ると上記のように大腰筋や中殿筋などが機能不全状態になっていてそれが痛みの原因のひとつとなっていることがとても多い。

体幹トレーニングはこの大腰筋や中殿筋といった身体の幹となる筋肉を良い状態にするのは大きな目的だと思うのですがそれがほとんど達成されておらず、逆に悪い状態になっている。

どのようになっているかと言うと「硬く縮んだ」ような状態。

これは「止まった姿勢を維持するトレーニングの結果として硬い筋肉を作った」という可能性があるようにも思います。

縮める時にはキュっと縮み、緩めるとふんわりと緩み切る状態が理想的なのですが、その逆の状態になってしまっている。

そしてその筋肉が膝や腰に痛みを起こしているとするなら、もしかしたら体幹トレーニングによって膝や腰を痛めているのでは?とさえ感じてきます。

結論

以上のようなことから私は体幹トレーニングを基本的に推奨しません。

ただ、「本当にシッカリとした指導のもと」で、「しなやかで柔らかい筋肉を作るという目的」のために行われる場合にはまた別なのかもとも思います。

また最近では「体幹トレーニング」と銘打っていても20年前とはだいぶメニュー的には変わっている印象もあります。

なので一括りに「体幹トレーニング」と呼ばれるものは全てがダメと言うのも違うというのも確かです。

目安としては「動きが伴わない」という要素がある場合には気をつけた方が良いかと思います。

また本来、筋肉を太くするのが目的ではないので「負荷が大きい」というのも気をつけてください。

いずれにしても体幹トレーニングに限らずですが取り入れる場合には慎重にしっかりとした知識のもとでやるのが大事だと思います。

それでは良い一日を!

ひろ
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