ストレッチについて 本当に筋肉は伸ばすと柔らかくなるか?
「ストレッチ」をやったことがある人は多いと思います。
特に何らかのスポーツをやった経験があればほぼ100%の確率でやった経験があるのではないでしょうか。
また、身体の痛みなどで治療に行った場合などにもストレッチを日常的にやるように指示されたりもします。
ではその目的はなんでしょう?
「怪我防止」とか「関節を柔らかくする」などではないでしょうか?
なぜそれらの目的が達成出来るのか?といえば「筋肉が柔らかくなる」というのが理由になると思います。
つまり、ストレッチをすると筋肉は柔らかくなるという考え方が一般的にあるわけです。
ですが、果たして本当にストレッチで筋肉は柔らかくなるのでしょうか?
ストレッチとは
スポーツや医療の分野においてストレッチ(英: stretching)とは、 体のある筋肉を良好な状態にする目的でその筋肉を引っ張って伸ばすことをいう。筋肉の柔軟性を高め関節可動域を広げるほか、呼吸を整えたり、精神的な緊張を解いたりするという心身のコンディション作りにもつながるなど、様々な効果がある。なお、ここでいう筋肉とは骨格筋のことである。
Wikipedia「ストレッチ」より
上の引用内にもあるように「筋肉を引っ張って伸ばす」という行動をするのがストレッチというのが一般的な考えになると思います。
ストレッチという括りになる運動にもいくつか種類がありますが大きく分けると「動的」か「静的」かになります。
特に「筋肉を引っ張って伸ばして柔らかくする」という目的の場合には一般的には静的ストレッチが多くなる傾向があります。
動的ストレッチの場合には意図があるか否かは別として筋肉の伸張よりは関節の可動が主な効果となっていると思います。
究極的な質問として・・・
子供の頃から学校の体育や通ったスポーツクラブなどでストレッチをしてきた人は多いと思います。
そこで究極的な質問です。
「それで身体は柔らかいですか?」
これがストレッチの効果に対する答えになるのではないでしょうか。
筋肉を伸ばすことで柔らかくなるというのはイメージとしてはゴム紐を伸ばすことで柔らかくするというのに近いかと思います。
輪ゴムやゴム紐をビンビンと伸ばしていると縮む力が緩んで来てゴムが伸びた状態になりますがこれを筋肉に置き換えてイメージする。
しかし、このイメージ自体が正しいのでしょうか?
この伸ばされたゴムというのはもともとのゴム紐の目的とする仕事としては「壊れた」と表現する方が近いのでは?
そもそも筋肉はゴムのように伸び縮みするものなのでしょうか?
こう考えてみるといかがでしょう?
スーパーで鶏肉(豚肉でも良いけれど)を買ってきて、両手で伸ばすとゴムのように伸びるか?
伸びますか?
イメージは毛糸のマフラー
私は患者さんなどに筋肉のイメージをお伝えする時には「毛糸のマフラー」に例えます。
毛糸のマフラーは柔らかく伸び縮みします。
ですが、1本1本の細い毛糸の繊維自体は伸びません。
このマフラーの毛糸が絡まってしまったような時にゴムを柔らかくするようなイメージで無理やり伸ばせばどうなるか?
毛糸は切れてしまいますよね。
筋肉も同じように切れてしまいます。
なので脳が切れないように筋肉を逆に縮めて守るような司令を出します。
結果的に伸ばされそうになると筋肉は縮んでしまい柔らかくなるとは真逆の結果となります。
では絡まった毛糸はどうするか?といえば緩めてあげる。
厳密には毛糸の集合体のマフラーと筋肉は違いのは当然ですが、考え方のイメージとしてはこんな感じで考えるとわかりやすいと思います。
そう、筋肉は伸ばすと逆に固くなってしまいますが縮めてあげると柔らかくほぐれてくるのです。
特に痛みに対してのストレッチは逆効果に・・・
腰痛で病院に行くと腰のストレッチや、膝が痛くて病院へ行くと太もものストレッチなどを指示されたりします。
オスグッドなどの場合にはほぼ100%の確率で太もも前のストレッチを指示されます。
ですが、私の考えではこれは逆に悪化させてしまう可能性があるのでは?と思います。
オスグッドの理屈で考えるとそれが素直な意見にならざるを得ないのです。
痛みに関連したり、原因となっている筋肉を柔らかく緩めてあげるのは必要なことです。
ですが、ストレッチでそれが達成できるのか?というと怪しいのではと思います。
病院の先生やクラブのコーチの指示でストレッチをやる場合には筋肉に悪影響をあたえないように気をつけてやってくださいね!
それでは良い一日を!
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