「すり傷などのファーストエイド スポーツ指導者のかたは知っておいてほしい」成長痛と痛み改善専門 【ひろメディカルケア】

ひろ

こんにちは!ひろ(@hiro__mc)です!

こんにちは。

成長痛と身体の痛みの改善専門家、ひろメディカルケアのヒロです。

スポーツでは捻挫などの怪我は付き物ですがそれ以上に多いのはすり傷や切り傷です。

少し擦りむいたくらいなら放っておいてもすぐに治ってしまいますが、ひどい場合だとグラウンドの砂や小石などで皮膚の表面をえぐり取られてしまうような状態になってしまうこともあります。

特にサッカーや野球やラグビーといったグラウンド競技においては多発する可能性が高いですが、スポーツ少年少女を預かる立場としてそんな時にはまずどのように対処するべきか?

スポーツ指導者や関係者は知っておきたいそんなお話です。

湿潤療法

私が子供の頃にはすり傷や切り傷は消毒してから乾かすという考え方が一般的でした。

しかし、今の考え方は乾かさないで治すというのが主流です。

この治し方を「湿潤療法」と言います。

ケガをすると、まず出血が起こって傷口でかたまり、浸出液と呼ばれる体液がしみ出す。そして、皮膚や傷痕をつくる細胞が働いて、傷が治っていく。浸出液や血液が乾燥して固まったのが、かさぶただ。

浸出液には、傷を治すために必要な成分がたくさん含まれている。ところが、乾燥すると機能が十分に発揮出来ず、傷の治りが遅くなるという。そこで出てくるのが湿潤療法だ。かさぶたを作るよりも早く、きれいに治せる。

朝日新聞DIGITAL「子どもの傷に湿潤療法」より

私が子どもころには傷は乾かして早くかさぶたにすることで早く治るという考え方でした。

なので傷が出来るとまず消毒をして赤チンを塗ってガーゼなどを当てて浸出液を吸い取るような絆創膏などで処置をしていた記憶があります。

これが今の考え方はまったく変わっています。

ちなみに、今の子供たちはほとんど知らないと思いますが赤チンというのは非常に強い殺菌効果があるので以前は傷対処の主役でした。

この赤チンは来年に生産終了となるとのことなので時代の移り変わりを感じますね。

THE SANKEI NEWS「赤チン」来年で姿消す

創傷のファーストエイド

スポーツの現場で選手が転んで出血するような傷を負ってしまった。

そんな時にはどうしますか?

傷を負うような怪我をしてしまった場合には応急処置として以下の様な手順を参考にしてください。

  1. 出血している場合には清潔なガーゼなどを押し当てて止血を優先する
  2. 出血が止まったら流水で砂や土などをきれいに洗い流す
  3. 清潔な布で傷のまわりを拭く
  4. 清潔なガーゼなどをあててテープ等で止める(ラップを当ててもよい)
  5. ガラスや木の枝などが刺さっている場合には抜かないで医療機関で抜いてもらう

基本的に上の流れにそって対処します。

特にグラウンドレベルで知っておきたいのは1と2ですのでこれらについて説明します。

止血と洗浄

選手が怪我した場合にまず行うべきは「止血処置」です。

出血を止めない事には始まりませんが、ここではRICE処置で出てきた「コンプレッション」と「エレベーション」が有効です。

大量の出血の場合には感染等を防ぐために手袋をすることが望ましいです。

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止血についての資料へのリンクを貼り付けておきますのでスポーツ指導者のみなさんはプリントアウトしてバッグに入れておいていただけると役に立つと思います。

「止血の手順」

出血が止まったら流水で泥や砂などをきれいに流します。

消毒薬は使用はしません。

強い消毒薬は身体に害となる菌やウイルスを殺すと同時に傷を治す細胞にもダメージをあたえてしまうからです。

流水で傷を洗う時に注意したいのは砂などの異物を残さないことです。

医療機関などに搬送する場合にはきれいに洗ってもらえますがそこまでの傷ではない場合には注意してください。

異物が残ったまま傷が治ると「外傷性刺青」という状態になってしまう可能性があります。

交通事故や転倒などの外傷で傷に砂などの異物が混入したり、鉛筆の芯などが刺さった場合、これらの異物を除去しない状態で傷が閉じてしまう(治ってしまう)と、その異物は真皮内に埋め込まれて残っ てしまうため、 色素沈着を来してしまいます。これを「外傷性刺青」といいます。

「新田皮膚科形成外科HP」より

まずは止血することと泥や砂のような異物をきれいに洗い流すことを優先しましょう。

参考までに創傷に対するファーストエイドの動画をご紹介します。

まとめ

ここで書いたことはあくまでも「ファーストエイド」であって、その後の段階の「治療」についての方法ではありません。

上記のファーストエイドの流れの「4」にある「ラップをあてても良い」というのはガーゼ等の代わりに傷面を保護する目的であって最近よく聞く「ラップを使った湿潤療法」とは意味が違うという点もお気をつけください。

スポーツの現場で負った怪我で病院に連れていくかどうかは指導者が決断しなければならない事項の一つです。

傷の程度によって医療機関に行くかどうかは実際の状況などで判断されることなのでひとくくりには表現できませんが迷うようなら医療機関に任せましょう。

病院に連れていって「これは病院に行くほどではなかった」となったとしても、大きな事故になってしまうよりはマシです。

特に子供は自分で判断できない要素も多くて基本的には指導者の言うことをそのまま受け止めますので適宜懸命な判断をお願いします。

それでは良い一日を!

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