脳の発育と姿勢の関係 姿勢の悪さが脳に影響? 相模原 ひろメディカルケア

良い姿勢
ひろ

こんにちは!ひろ(@hiro__mc)です!

「良い姿勢」と良く言われますが具体的にはどのような姿勢が良いのでしょう?

なぜその姿勢は「良い」と言われるのでしょう?

それは人間が進化する中でそれを必要とするようになったからなんです。

このブログを読むとそれがどういうことかが分かります。

ひろ

そしてたぶんお子さんの姿勢を気にされるようになります!

最後までお読みください!

「良い姿勢」とは

「良い姿勢」と一言で表現しますがどのような姿勢が「良い」のでしょう?
耳の穴から足の外くるぶしの前の部分までをまっすぐに結んだ線の上に肩の骨の端、大転子、膝関節が乗った状態。

下の図のような状態が「良い姿勢」ですがあなたの姿勢はいかがですか?

ちなみに私はめっちゃ悪いです・・・(汗)

若い頃は気にしていなかったのですが年齢を重ねると姿勢の悪さが老いを感じさせることを痛感していまして、若い頃に姿勢を気にしていなかったことを本気で後悔しています。

それでは、この「良い姿勢」というのはなぜ「良い」のでしょう?

見た目の美しさということもありますが実はもっと重要な意味があります。

良い姿勢は重い脳を支えるため

人間が他の動物に比較して優れているものといえば「脳の容量」ですよね。

その人間の脳の重さは成人の場合で体重の2%程度なので体重が70kgあればおおよそは1.4kgということになります。
この重い脳を細い首で支えているのですが、これを効率的に支えるには身体の中心線上に乗せるのが一番負担がかかりません。

中心線から脳の位置が前に出るほどに首・背中・腰・・・と負担がかかってしまう訳です。

「良い姿勢」によって脳の重さはストレートに背骨を通って両足に伝わって足の裏から地面に分散されていきます。

この荷重が伝わるラインが良い姿勢のラインから外れれば身体のどこかの部位に過剰な負担が掛かるということになるのです。

脳の重さの進化と姿勢の変化

下のような図を見たことがあるかたは多いと思います。

左から右へと人類が進化する変化を表している図です。

Evolution of Man (Photo by The Print Collector/Print Collector/Getty Images)

もともとは猿人(というより猿?)だったのが少しずつ進化するにつれて現代の人間の姿に変わっていく過程を表した図です。

その進化の過程で大きく変化したものが脳の容量です。

そして一目でわかるように「姿勢」も変わってきています。

ヒトに最も近いチンパンジーの脳の容量は400cc.霊長類の歴史では,ここから500ccの大台に乗るのまでに400万年という時間を要した.逆に,それ以降の進化は早い.300~200万年前のアウストラロピテクス・アフリカヌスの段階で450ccになった後,230~140万年前のホモ・ハビリスでついに550ccを記録.さらに,150~20万年前のホモ・エレクトスでは1000ccとなり,40~2万年前に生存したホモ・ネアンデルターレンシスでは1500ccにも達した.ちなみに現在まで続く新人たるホモ・サピエンスの脳容量はむしろ若干少なく,1350ccである

▲出典:「人類の脳容量の変化」より

最初の猿か人か分からない頃のせいぜい500cc程度の重さなら頭が前に出た姿勢でも身体への負担はそれほどでは無いので「良い姿勢」の必要性はありません。

ですが、それが1000ccほどにもなると猿のような姿勢では首や背骨への負担が大きくなってしまいます。

なので脳の進化の過程に伴って重い脳を身体の中心に保つように姿勢も進化したと思われます。

重い脳を持つようになることと、姿勢が立ってきて最終的に完全な二足歩行になることは関連性があるのです。

ヘッケルの反復説

反復説(はんぷくせつ)とは、動物胚のかたちが受精卵から成体のかたちへと複雑化することと、自然史における動物の複雑化との間に並行関係を見出したものである。

Wikipedia「反復説」より

ヘッケルの反復説というのは「個体発生は系統発生を繰り返す」と表現されます。

ここでは簡単に「個体発生」というのは私達自身、「系統発生」というのはその種の進化だと考えてください。

つまり、私達自身に成長の過程で起こる変化は人類の進化の過程で起こった変化と似ているということです。

そうであるならば、生まれた時には軽い脳が重く成長する時には、人の姿勢も進化をもたらした同じ必要性が生じるはずです。

少しわかりにくいでしょうか?

つまり、脳が大きくなるなら姿勢もそれを支えるのに適切な姿勢でないと何かしらの問題がおきるんじゃない?ということです。

脳の成長と良い姿勢の相関性

下の図は人間の脳の重さの変化を表しています。

生まれた直後はほとんどチンパンジーと同じ程度ですがその後は急速に重くなっていくのが分かります。

▲出典:「ママと家族の育児応援サイト」より

脳の重さが人間の種の進化と同様の流れで重くなるとしたら、当然にそれに伴う部分についても同様の進化の流れを再現しなければどこかに無理が生じるというのは想像がつきます。

そして、脳の重さに伴って必要とされた姿勢というのは「脳の重量が身体の真ん中にあって背骨のカーブで重量を受け止められてそのまま真っすぐに足の裏まで伝わる」ということで、これはそのまま「良い姿勢」となります。

つまり「良い姿勢」というのは脳の成長が身体に負担を掛けないための必要性から生じていると考えられます。

上の図で分かるように脳の重さは生後1年過ぎ位から急激に大きくなり3歳程度で大人の90%ほどの重さになります。

このような脳を持ちながら「背中を丸く」して顔が前に出てしまったり、「巻き肩」や「ストレートネック」だったら身体はどうなるでしょう?

特に16歳前後くらいまでは身体のサイズ(首の太さなど)もまだ小さく、筋肉の強さもそれほどはありません。

しかし、脳の重さはほとんど成人と変わらない。

このようなアンバランスな時期に「良い姿勢」が身についていないとしたら?・・・を考えるとそのまま順調にすべてが成長できるとは思えません。

姿勢の悪さが脳の成長を妨げる?

「脳は重くなるけれど姿勢が悪い」という場合には首や背中、腰、股関節から膝、足首、足の裏まで様々な支障が出てきます。

例えば下の図のような「ストレートネック」だと頭の重量を前に出た首で支えるため肩こりや背中の張りなどの原因になります。

ストレートネック、肩こり、腰痛

▲:ストレートネック

それでも、姿勢が悪くても脳は成長してくれるならまだしも、「姿勢の悪さが脳の発育を阻害する可能性がある」という説もあります。

もちろん「姿勢が悪ければ脳が全く成長しない」といった極端なことではありませんが、姿勢の変化が脳の重量の変化と相関しながら進化した結果だとするならば、一方の非成長はもう一方の成長に影響を与える可能性があるというのはありえることだと思います。

その様に考えてみると脳の成長が安定する時期までの姿勢の有り方というのは重要です。

それまでの姿勢の悪さが脳の発育に影響を与える可能性があるとするならば、子どもに足を組んで座らせないとか、丸い背中でいさせないというのは「躾」という以上に大きな意味があるのかもしれません。

スマホやゲームについてやりたい放題にさせないというのはもしかしたら子どもの成長を守るためには必要なことかもしれませんね。

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まとめ

「姿勢を良くしましょう」と言うのは見た目の美しさだけを求めてのことではありません。

身体の機能を最大限に無駄なく発揮するために必要とされた構造的な意味があるのです。
当院にお越しになられる小学生や中学生でいわゆる「成長痛(オスグッドやシーバー病など)」の場合にはほとんどの子が巻き肩で猫背です。

そのような子ども達を多く診させていただいていると、姿勢の悪さは身体のいろんな筋肉の異常を起こす要因となっているのを感じます。

姿勢を良くするだけで膝や踵の痛みが減るということが実際にありますし、スポーツのパフォーマンスが上がるということもあります。

現在の子ども達にオスグッドとかシーバーなどの成長痛やスポーツ障害が多いのは、スマホやゲームによる姿勢の悪さが大いに影響しているのかもしれません。

その状況を多く診る立場にいると「姿勢の悪さは脳の発育を妨げる」という可能性は十分にありえると感じます。

ひろ

ここに書いたことには諸説もありますし、「絶対」とは言えないものかもしれません。

ですが、姿勢の悪さが身体に及ぼす影響としては無視できないものだと思いますので改めて考えてみるのも良いと思いますよ!

それでは良い一日を!

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