改めて考えるスポーツドリンクの問題点
今日はスポーツの練習や試合では子どもたちが手放せない「スポーツドリンク」についてです!
私が中学生の頃(なのでもう40年前くらい??)に友人が「これ知ってる?」と粉末のドリンクを見せてくれました。
そのドリンクの名前は「ゲータレード」。
なんでもアメリカ生まれのスポーツ専用ドリンクでこれを飲むと運動しても喉が乾きにくいというようなことを言っていた記憶があります。
それからこの「ゲータレード」は大流行してその後に様々なスポーツドリンクが販売されました。
子どもたちも今は当たり前のようにスポーツドリンクを飲みます。
では、果たして冬の今の時期に「スポーツドリンクを飲む」という必要があるのか?というお話です。
スポーツドリンクの効果
スポーツドリンクは、清涼飲料水の一種で、運動や日常生活などでの発汗によって体から失われた水分やミネラルを効率良く補給することを目的とした飲料。脱水症状の回復や、炎天下のスポーツにおける熱中症防止などの目的で飲まれる。
近年ではスポーツ飲料と呼ばれることがある。日本のメディアでは、日常生活の熱中症対策としてスポーツドリンクを勧めていることが多い。
Wikipedia「スポーツドリンク」より
私はサッカーのコーチを長年やっておりましたが、グラウンドに子どもたちが持ってくる飲み物がスポーツドリンクでは無いという子を探す方が難しいくらいみんなスポーツドリンクを飲んでいます。
しかし、「なぜスポーツドリンクを飲むの?」と聞かれて答えられる選手(保護者も?)はどれくらいいるのか?は少々怪しい感じもしますので改めて復習しましょう。
スポーツドリンクの効果としては大きく二つ。
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さらに、子どもはあまり喉の乾きに気づかないので夏場などでも指導者が「少し水を飲んできて」と言っても「まだいらないー」となることも多々あります。
そんな時に「味が付いている」ということで子どもが飲むことに拒否感を持ちにくいというのもメリットかなと長年の指導経験から感じています。
スポーツドリンクの種類
スポーツドリンクには二つの種類があります。
それは「アイソトニック」と「ハイポトニック」。
二つの違いは「浸透圧」です。
アイソトニックは人間の体液の浸透圧に近いドリンクで、ハイポトニックは浸透圧が低いドリンク。
有名なスポーツドリンクはほとんどアイソトニック飲料になるかと思います。
目的によって使い分けするのが良いのだと思いますが活動中の水分補給ということなら浸透圧が低いハイポトニックの方が適しています。
なので私は子どもたちにはハイポトニックを勧めていました。
ただ、ハイポトニックのドリンクは味が薄いので子どもたちはあまり好んで飲みたがりませんでした。
なぜ薄めることを勧めたりハイポトニックを勧めていたかというとアイソトニックは糖質が多すぎるのです。
それが身体に大きな問題をおこす可能性を考えていました。
ペットボトル症候群
ペットボトル症候群(ペットボトルしょうこうぐん、英語: PET bottle syndrome)とは、スポーツドリンク、清涼飲料水などを大量に飲み続けることによっておこる急性の糖尿病である。正式名称はソフトドリンク(清涼飲料水)・ケトアシドーシス。清涼飲料水ケトーシスとも呼ぶこともある。ソフトドリンクやスポーツドリンクの急激な大量摂取だけでなく、みかんの缶詰やアイスクリームなどの糖分の多い食品の大量摂食でも発症することが報告されている。
Wikipedia「ペットボトル症候群」より
スポーツドリンクには実は糖分が多く入っていますがおそらくは想像を越える量の糖分です。
どれくらいの量かというと下の図にあるとおりです。
この表は100mlあたりの数値なので500mlのペットボトルに換算するには炭水化物量の5倍となります。
※厳密には「炭水化物」は「糖質」と「食物繊維」の総称なのですがスポーツドリンクの場合にはほとんど「炭水化物量=糖質量」となります。
おそらく子どもたちがいちばん飲んでいるであろう「アクエリアス」の場合だと糖質量は4.7x5=23.5g
一般的なステックシュガーが1本あたり3gなのでなんとスティックシュガー約8本分。
ポカリスエットだと糖質量が6.2x5=31gなのでなんとスティックシュガー10本分以上の量になります。
ちなみにハイポトニック飲料である「H2O」の場合だと2.9×5=14.5gと比較的に糖質が低いのがわかります。
子どもたちが持ってくる水筒の容量は1Lはあるので、1回の活動でその3/4を飲んだとしてもアクエリアスの場合にはスティックシュガーを短時間で12本飲むことになります(ポカリスエットなら17本)。
このように糖質を一気に大量に摂ることで血糖値が急上昇します。
それが原因となって急性の糖尿病をおこして腹痛、嘔吐などを起こし、酷くなると意識障害などに至ることもあります。
これが「ペットボトル症候群」です。
そこまでひどいことになるかどうかは別としても、冷静かつ常識的に考えてこれだけ大量の砂糖を数時間の活動中に飲むということが身体に良いことかどうか・・・。
なおスポーツドリンクの糖質の多さについては知られてきたこともあって最近では人工甘味料を使っての「糖質ゼロ」のものもあります。
しかし、人工甘味料を使う時点でスポーツドリンクの働き(浸透圧)は失われるので飲む意味がありません。
これについてはまた改めて書きたいと思います。
まとめ
基本的に運動中の水分補給が目的なら普通の水でも問題ありません。
ただし、近年の夏場の暑さを考えると電解質やミネラルの補給には大きな意味があるので一概に「水で十分」とは言えないのも確かです。
私の場合にはスポーツドリンクを使う場合には私は水で3倍に薄めるように勧めていましたし、麦茶も良いと勧めてました(市販のペットボトルではなく家で作ったもの)。
水分だけなら水で十分ですがミネラルの補給を考えると上手くスポーツドリンクを使うか麦茶がやはり良いかもしれません。
しかし、あえて夏場の話題である「スポーツドリンク」について書いたのはもう少し別の意味があります。
冬場の今は発汗量としてはミネラルなどの損失はそれほど気にしなくても大丈夫ですが水分は大事です。
そこで考えてみると冬場の今でもスポーツドリンクを飲んでいる子どもはやはり多いと思います。
もちろん競技の特性や環境などにもよりますが「冬にスポーツドリンクを飲む必要」は果たしてあるのか?
みなさんはどうお考えになられますか?
スポーツドリンクの正悪ではなくて、「失う物」と「補給したい物」と「身体に入れたくない物」をしっかりと把握しておくことが必要だということだと思います!
それでは良い一日を!
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